コンセプトは「フリーダム」
三年に一度、介護報酬の改定があります。
今度の4月の改定で、なでしこ苑に関係した改定をまとめてみました。
(1)医療ニーズへの対応
①配置医師緊急時対応加算(新設)
配置医師が、早朝・夜間又は深夜に施設を訪問し入所者の診療を行ったことを評価
早朝・夜間:650単位/回、深夜:1,300単位/回
②夜勤職員配置加算Ⅲ(Ⅲ新設)
夜勤時間帯を通じて、看護師又は喀痰吸引等職員を配置している場合に評価
Ⅰ13→Ⅲ16単位/日
③看取り介護加算Ⅱ(Ⅱ新設)
医療提供体制を整備し、さらに施設内で実際に看取った場合により手厚く評価
30日~4日前:144単位/日、3日前~前日:Ⅰ680→Ⅱ780単位/日、当日:Ⅰ1,280→Ⅱ1,580単位/日
(2)自立支援、重度化防止
①排せつ支援加算(新設)
排泄介護を要する入居者に支援計画を作成、計画に基づき支援した場合を評価
100単位/月
②口腔衛生管理加算(要件緩和・減少)
口腔ケアの対象者を拡大する目的で、月4回→月2回に要件緩和を緩和
ただし、110→90単位/月
③低栄養リスク改善加算(新設)
低栄養リスクの高い入居者に、改善計画を作成、改善することを評価
300単位/月
④再入所時栄養連携加算(新設)
入居者が入院し経管栄養等で施設に戻る場合、病院の管理栄養士と連携した場合評価
400単位/回
(3)人材確保、生産性の向上
①夜勤職員配置加算(要件緩和)
15%以上の入居者に介護ロボット、センサーなどを導入した場合
最低基準+1人→+0.9人
(4)サービスの適正化
①身体拘束廃止未実施減算(減算増加)
身体拘束廃止の強化、減算幅の見直し
5単位/日→10%/日減算
②ユニット型個室以外の容認
「個室のユニット割合が高まっている方向性については賛成だが、ニーズは様々であり柔軟な対応が必要」と軟化
なでしこ苑では、開所以来これらについて、積極的に取り組んで来ました。
例えば、介護福祉士と吸引の資格取得を推進した結果、正規職員の介護福祉士、吸引登録者は共に80%を越えます。
夜間は看護師が不在ですが、夜勤の介護福祉士が吸引を行えます。
口腔ケアに関しては、毎週歯科医と歯科衛生士の訪問、県立大学短期大学部の先生による口腔ケアの指導も受けて、多職種連携と研修体制も充実しています。
ロボット・センサー関連では、個浴9台中3台がアビット、109床中27床(1/4)が離床センサーベッドなどを導入しています。
また、全職種で作り上げた「介護マニュアル~nadeism~」の作成、ユニット制からフロア制へ移行、24時間シートやケアチェックシートの充実、イントラネットなどで情報の共有化など、様々な生産性の向上を図ってきました。
これまでなでしこ苑が取り組んできたことが、今回の介護報酬改定でようやく評価されました。
なでしこ苑の良いところは、「良さそうな事は、とりあえずやってみる」気風があることです。
悪く言えば、見切り発車?思いつき?出たとこ勝負?笑
当然、モノ・ヒト・カネの制約はありますが、やれない理由を揃えるのは簡単です。
しかし、やらなければ何も産み出しません。
最初から完璧にやることも難しいです。
だから、「とりあえずやってみる」のです。
精神的な束縛がない状態、それがフリーダムです。
ただし、決して「個々が自由奔放」にやってはいけません。
みんなが同じ方向を向いてとりあえずやらないと、バラバラになります。
18世紀イギリスの偉人アダム・スミスは「国富論(諸国民の富)」の中で、こう言っています。
「(神の)見えざる手」が働くのは、「自由勝手、放任主義」ではなく、個々の「モラルと自由で慎重な選択」があるからこそ、結果的に「見えざる手(市場原理)」に導かれているかのように、皆が良い方へ向かうのです。
介護報酬改定について、詳しくは「厚生労働省ホームページ」へ
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