小鹿なでしこ苑公式ブログ

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H29.09.22苑内研修「移乗板の使い方」

毎月最終金曜日は、苑内研修の日ですが、今月は支部の新人研修と重なるため本日行われました。テーマは、理学療法士(PT)による「移乗板(スライディングボード)の使い方」です。
当苑で、すでに使用しているスライディングボード2種類の使用方法について、みんなで考えます。

まずは、「ラクラックス(ミニロングサイズ120cm・約2~3万円)」という商品を使って、「ベッド⇔ストレッチャー」の移乗です。

この機器は、板の周りに袋状の生地がついている構造で、板の上に体を乗せて押すと、スルスルと「楽々」移乗できる道具です。

動きは、こんな感じです。施設長に入居者役をやっていただきました。笑
 
まずは、タオルなどで「てこの原理やトルクの原理」を使って仰臥位から側臥位にして、ラクラックスを差し込みます・・・


体を押すと、スルスルと移動します。

施設長の感想は・・・「頭や足がぶつかって痛い。」ということでした。
身長の高い方の移乗では、ラクラックスが無い部分が当たることが判明しました。

PTの助言により、「上半身を先に、次に下半身」と2段階で動かしてみたところ「バッチグー」との判定をいただきました。
ラクラックス(レギュラーサイズ180cm・約3~4万円)を買えば済む話ですが、今ある物をどう使うかを工夫することが大切です。
  
次に、「マスターグライド(約2万円)」という商品を使って、「ベッド⇔車椅子」への移乗です。

この機器は、強度と柔軟性を兼ね備えた特殊な素材を使用しており、「ベッド⇔車いす」などの移乗間に橋渡しし、座ったままでの姿勢で移乗できます。

まずは、PTが入居者役です。
 
介護する側とされる側に体格差がありますので、力任せに動かそうとしても動きません。
どうしたら、よいでしょうか・・・

 
頭で動きを考えるよりも、入居者役になって実際に試してみるのが一番です。

スライディングボードのポイントは、「板の上に加重させて滑らせる」ことです。
板は「摩擦係数が小さい素材」ですので、体重をしっかり載せて「摩擦を減らすこと」が大切です。
そして、移乗先(車椅子)より移乗元(ベッド)を少し高くしておくことで、「位置エネルギー」を利用します。
 
スライディングボードは、「介護職員の腰痛予防の為の道具」だけではなく、「入居者を安全・安心して移乗してもらう道具」でもあります。
今後、団塊の世代が沢山入居してきますと「身長の高い方」や「体格の良い方」をこのような機器を積極的に使って介護する必要があります。
「自己流になっていないか」、「もっと安全で安心な方法はないか」などを考えることが大切ですね。

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