小鹿なでしこ苑公式ブログ

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認知症ケアの研修を受けて…

先日、苑内研修にて看護師が「認知症ケア」をテーマに話をしてくれました。
まず、高齢化の状況ですが、令和3年10月時点でのデータによると、日本の総人口1億2550万人に対して65歳以上の方は3621万人おり、高齢化率としては『28.9%』だそうです。
しかし、日本の人口は減少傾向にあるため高齢化率は更に上昇を続け、令和47年(約40年後)には高齢化率『38.4%』となり、国民の2.6人に1人が65歳以上になるそうです。
ただし、実際に65歳以上の方一人に対する現役世代は、令和2年で2.1人、令和47年には1.3人になるため、現役世代の負担たるや想像に絶するものがあります。

本題の認知症についてですが、今回の研修を受けて、以前入居者様の精神科受診の付添をした時に、精神科の先生が認知症の方の気持ちについて話してくれたことと、亡くなった祖母の「ごめんね。おばあちゃん、バカになっちゃったみたい。」という言葉を思い出しました。

先生の言葉…
「認知症の方は、見ても、聞いても、触れても分からないから不安なんです。誰かに聞きたくても、誰に聞いたら良いのか分からず、ここがどこなのかも分からず、とても不安なんです。また、いろいろなことが分からなくなっていくけれど、これからどうなってしまうのだろう…という不安もあります。とにかく、いつも不安なんです。」「ケアを変えることで症状が良くなることもありますが、認知症が治るわけではありません。ずっと不安な気持ちでいることはとてもつらいと思いませんか。ケアで気持ちを穏やかにしてあげることができない時は、いつでも我々(精神科医)に相談して下さい。介護員さんたちは精神科薬に対して後ろめたい気持ちが強いようですが、一番つらいのは本人さんなんです。」

祖母の言葉は、転倒して大腿骨を折って入院した時からです。毎年、軽い脳梗塞で入退院を繰り返していましたが、そんなこと言ったことは一度もなかったのでよく覚えています。今思えば、祖母は不安だったんだと思います。その時は「何言っているの。大丈夫だよ。」と返事をしましたが、祖母が求めていたのは、そんな言葉ではなかったのかもしれませんね。今なら言葉ではなく、手を握ってそばにいたり、抱きしめてあげられたのに…

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