小鹿なでしこ苑では採用時研修を4月ではなく5月に行っています。
5月に行っている理由
①まずは現場の仕事を覚え、職場の雰囲気に慣れてほしいから
②緊張している時に面識のない職員から60分も難しい話をされても頭に入らないから
普通は初日だったり1週間以内に予定を組むものなのかもしれませんが、私はこれでいいと思っています。実際、1ヶ月おくことで緊張も解けており、話したことに対してキチンと回答もできているからです。ちなみに、採用時研修のプログラムはこちら。
ご覧の通り10:00からスタートして17:00までみっちりです。昼休み以外休憩時間はないのか!と突っ込みたくなる時間割です。
でも、それぞれ伝えたいことが山ほどあるため、これでも時間は足りないのです。限られた時間内に大切なことを伝えなければならないため、教える側もなかなか大変なんですよ。
まずは1時限目(10:00~11:00)相談員

入所相談から契約、退所に至るまでの流れ、社会保障制度について説明しています。特に近年は身寄りのない方やキーパーソンが甥姪という方も増えているため、成年後見制度や身元保証をしてくれる組織についても説明しています。
2時限目(11:00~11:40) 機能訓練士
写真を撮りに行った時には座学が終了しており、入居者さんのところでシーティングやポジショニングを実践しながら説明していたようです。写真撮れなくて残念 (^_^;)
3時限目(11:40~12:40) 介護長・ケアマネ
介護保険制度についてはケアプランを交えて話をした方がよいだろうということで、介護長が担当しました。「みんなに給料を出すには収入(介護報酬)が必要です。その介護報酬を得るにはどうすればいいか…」と加算についても説明。逆にどのようなことをするとペナルティになるのか…についても説明しました。その他には、身体拘束廃止・虐待防止・事故防止(リスクマネジメント)についても事例を交えながら説明しています。
お昼休み(12:40~13:40)
4時限目(13:40~14:40)看護師
看護師からは、看取り・ターミナルケア、緊急時対応、感染症について説明しています。
「現在、退所される方の8割~9割の方がお看取りで、毎年30名ほどの方を見送っています。絶対に避けては通れないことですが、介護員としてすべきことは決まっているので、緊急時対応よりは難しくないと思います。もちろん、人によっては精神的にキツイという方もあると思うので、僕たち看護師は職員の心のケアにも力を入れていきます。」
「看取り対応だけでなく、緊急時対応も感染症対策もチームで行うことなので、まずは誰かに声を掛けることを新人さんは覚えてくれたら大丈夫ですよ。」こんな風に言ってもらえたらホッとしますよね。
小鹿なでしこ苑はユニット型なので、夜間帯は24人の方を一人で担当することになります。新人さんにとっては、そこが何より不安となるのですが、逆に観察力、判断力、行動力などが磨かれます。最初は大変だけれど、どこへ異動しても通用する介護員になるから頑張ってね!
5時限目(14:40~15:20)管理栄養士
管理栄養士からは衛生管理や食中毒に関する話はもちろん、栄養マネジメントと介護員・看護師らとの連携についても説明しています。また、力を入れている「食上げ」についても説明しています。食上げとは、常食からきざみ、超刻み、ミキサーと何らかの理由により食形態が下がってしまった方を元の食形態へ戻す取組みです。嚥下の状態、咀嚼の状態、義歯の有無など歯科医と相談しながら行っています。
「下げるのは簡単だけど、戻すのは本当に大変。でも、食事を楽しんでほしい、味わってほしいからこそちゃんと考えなければダメなんだよ。」
「看取り状態になったら最後に好きなものを食べさせたいというのも違うと思う。食べられる時に、食べられるものを、食べたいだけが基本だよ。」
6時限目(15:20~16:00) 事務長
事務長からは運営規程や就業規則についてなど社会人1年生だからこそ学んでほしいことを説明しています。確かにどのように昇給していくのか、年次有給休暇や特別休暇はどのように申請すればよいのかなど知りたいですよね。
5年後、10年後にどこの部署でどんな仕事をしたいか、そのために必要となる資格があるとしたら、それはいつどのような手続きで取得するのか。ただ漠然と仕事をするのではなく、なりたい自分を思い描きながら、プライベートの設計も考えながらキャリアを築いていってほしいです。
7時限目(16:00~17:00) 施設長
こちらも写真がありません… 残念 (^_^;)
施設長からは法人の理念、生活困窮者支援(なでしこプラン)、ソーシャルインクルージョンについてと、小鹿なでしこ苑の令和7年度の事業報告、令和8年度の事業計画についての話と、組織づくり、コンプライアンスについてなど話をしています。ソーシャルインクルージョンを行うことは社会福祉法人としての責務である。包括や居宅のケアマネがやることで施設内で働く自分たちがする必要はない…ではなく、特養で働く介護員が、看護師が、管理栄養士がもっと地域に携わるべきである。でも、自分たちだけで解決できることはごく僅かだから、行政をはじめ企業や学校、自治会や地区社協などと協力し合いながら考えていってほしい。
皆の熱い思い、新人さんには届いたかな
最期までしっかりメモを取る姿勢が見て取れたので、きっと素敵な介護員さんに成長するだろうと思っています。成長・活躍を楽しみにしています。