小鹿なでしこ苑では、毎月夜勤者を対象にした防災訓練・防災教育を行っているのですが、11月は初期消火・通報・避難誘導の全てを網羅した
『総合防災訓練』を実施しています。特に今回は、発災後、少し落ち着いてきて地域の方も受け入れ始めたところ
「ノロウイルス」に罹患していると思われる方が嘔吐した吐物を処理する…という設定の訓練も行いました。
今回から本部にはホワイトボードを設置し、入居者様や職員の状態、建物の被災状況、外部との連絡状況などを記載するようにしました。これは、参集した職員がホワイトボードを見ることで自ら情報を得るためです。
実際には電話、FAX、メールによる連絡が入るため、ホワイトボードへの記録係はかなり大変だと思われます。どれだけホワイトボードを記載しやすい状態にしておくかが「肝」になるような気がしました。
毎月の訓練では、消火器や消火栓などの取り扱い方法、通報訓練、情報伝達訓練、避難誘導訓練、小鹿なでしこ苑BCPについての説明、感染症対策などを5分~10分行っています。小鹿なでしこ苑の夜間は、
夜勤4名+宿直者1名の5名体制となるため、各々が何をすべきか理解していないと瞬時に判断して行動に移せません。いざという時を想定し、できるだけ現実的な訓練を定期的に行おう…というのが私たちの出した答えです。
前回の訓練で、ベッドのまま屋外へ避難できないことは確認済みのため、今回はストレッチャーへ移してから屋外へ避難しました。平日の日中であれば人手があるためピストン輸送も可能ですが、これが夜間の場合は正直厳しいと思いました。被災時には
「人命優先」のため内出血や皮膚剥離などの怪我は覚悟のうえでシーツや布団に乗せて引っ張るような搬送方法が現実的なのかもしれません。(さすがに訓練ではできませんが…)
他には軽油の発電機が邪魔で避難しにくかったという意見もありました。
吐物の処理訓練では、
TQRMセンター感染症認定看護師の渾身の一品であるリアルな吐物を用いて行いました。未消化感に加え、酸味のあるニオイまであり、ビジュアル的にあまりにもヤバ過ぎたためブログに掲載するのはやめました(笑)
しかも、この吐物には蛍光塗料も含まれているため、処理後にブラックライトを当てると床や靴の裏に汚染が… 目に映る汚れだけではなく、最後に次亜塩素酸ナトリウムでしっかり拭取らないとダメだということがよく分かりました。また、吐物を処理する時には吐いた人の方から処理に入らないと、吐物を踏んで汚染範囲を広げてしまうことになることも分かりました。
これからノロウイルスも増えてきますが、アウトブレイクさせないよう頑張りましょう!
また外部から家庭に持ち込まないこと、万が一持ち込まれたとしても適切に処理をして、感染を拡げないようにしましょう。