静岡県老人福祉協議会(通称:県老施協)では毎年、東部・中部・西部の各支部において防災訓練が行われています。それぞれ、地震による火災、台風による水害・土砂災害などを想定し、近隣施設に応援を求めるものとなっています。
今回は、令和4年に台風15号により被災した「有度の里」さん全面協力のもと、中部支部長を中心とした防災委員による「防災グループLINE」を活用した情報のやりとりと、実際の職員派遣(応援要員)への指示出し訓練、有度の里の入居者様の一次受け入れのため引継ぎ訓練を行いました。
訓練は、午前の部:職員派遣(応援要員)への指示出し訓練と、午後の部:入居者様の一次受け入れのための引継ぎ訓練に分けて行いましたが、我々は両方へ参加しました。
まずは午前部
Aチーム:水没した機材や備品を外へ運び出すチーム
Bチーム:廃棄物をまとめるチーム
Cチーム:汚染した備品を外に運び出したあと居室等の清掃するチーム
Dチーム:物資の受取り、仕分け、配布をするチーム
それぞれの役割について細かく説明を受けました。
被災当初は「掃除道具」が不足しているため、物資が届くようになるまでは「持参」してほしいとのことでした。ここでいう掃除道具とは、水かき用のワイパー、デッキブラシ、ほうき、チリトリ、バケツ、手袋、雑巾などです。また、給水車が来るまでは水もないため、飲料水とは別に掃除用の水もほしいとのことでした。
令和4年の時には、この手すりより上まで水が来たそうです。ちなみにエレベーターの復旧が一番最後で、それも半年先になったとのことです。そこでエレベーターを守りために導入したのが、この「水用心」というパネルとのことですが、まだ実際に使用していないので真価のほどは不明だそうです。
もしも水が入ってきた時には、水圧によりパネルが密着するため内部への侵入を防げるそうです。
水位が一番高かった時には、駐車場に止まっているハイエースの屋根の部分しか見えなかったそうです。清水港の満潮時間と最大雨量の時間が重なったことも巴川の排水量を低下させる原因になったのではないかとのことです。
以前、室外機は窓の下の位置にあったとのことですが、被災後に上へ上げたそうです。
こちらも同様。室外機の位置が軽自動車の屋根よりも上にあるのが分かりますか?
エレベーターが使用できなくなった場合、階段で上げるしかありませんが、車椅子の車輪を上手に使うことで2名で搬送することができると教えていただきました。
※ あくまでも緊急時用です
実際に人が乗った状態でも試してみましたが、見た目とは裏腹に軽い力で上げることができます。また、実際に車椅子に乗ってもみましたが、安定していて恐怖心はありませんでした。
いざという時のためにもこの方法は知っておいて損はありません。
続いて午後の部
今度は入居者様の一次受入れのための引継ぎ訓練です。
受入れは数週間から1ヶ月ほどを想定
受入れ期間中に受診しなければならない時にはどうするか
受診時の付き添いはどうするのか
利用料金はどうなるのか
検討課題がいくつもありました
このように他施設と合同で防災訓練を行うのは初めてでしたが、実際にやってみなければ分からないことがいくつもあり、やった甲斐があったと思いました。また、有度の里さんの徹底した対策が何よりも勉強になりました。お忙しいところ協力いただきありがとうございました。